偶然には偶然が重なるもので、ツァイスを代表する35mm f2.8レンズをほとんど同じシチュエーションで使う機会に恵まれましたので、写りの比較記事を起こすことにしました。
撮影条件は、同じカメラ(当店一の働き者ライカM240さん)、巨人のナイターゲーム@東京ドームです。2回とも家族連れで観に行きましたので、精神的な条件もまた同じとなっています(ビールは飲まず、素面で観戦というのもまた同じ)。
結論は実際の撮像をご覧頂くのが一番だと思われますので、なんとなく眺めながら違いを感じていただければ幸いです。
まず、Biogon 35mm f2.8 (L)での撮影です。戦中〜戦後にかけてほんの少しだけ製造された、オリジナル・ライカスクリューマウント。
絞り開放から解像感の高い写り、周辺の流れや落ちがとても良い雰囲気ですね。ちなみにTコーティング付、ガラスの状態も申し分無し、バッチリ整備済みの個体です。
レンズ比較をするに当たっては、出来る限り当時のコンディションに近いサンプルを使うのがフラッシュバックのポリシーです。
三塁側観客席を写しました。帰宅後、モニターで確認をして座席の精緻な写りには感動しました。f2.8開放でこれなのですから、素晴らしいです。
わずかですが撮像の右端に色被りがみられます。スーパーアンギュロン21mmなどのように盛大ではないので、ほんのり、という印象ですね。
より近い距離でもキリッとした写りが印象的です。ツァイスのレンズは安定して良く写りますね〜!
ピント面がカキーンと写りますね。軽く、コンパクトで写りも良く、見た目もカッコイイので欲しくなるレンズの1つです。
↓ここからはビオメターです。対決開始ですね。ライカ・ビオゴンと同じくTコーティング付です。
35mm f2.8と焦点距離、開放値はビオゴンと全く一緒ですが、レンズ構成は異なりますので写りの違いが楽しみです。ちなみにビオゴンは高級路線、ビオメターは廉価路線として開発されたようですが、生産されたのはわずか1,500本程度と言われています。
ビオゴンの特徴が「カッキーン」だとすると、ビオメターは「ほどほどしっかり」。中心の結像感はしっかりしていますがビオゴンに比べて、結像感が得られる範囲が狭いようです。
なお、野球場で35ミリのマニュアルレンズを構えて撮影するような人は見当たりませんでした(前回のビオゴンに続き、今回も)。ちょっと浮きます。
痛快な一打で沸き立つ観客席。少し柔らかな雰囲気の写りが良いなと思いました。ビオゴンだと、より精緻でパキーンとした写りになるでしょう。
ショートフライに打ち取った一幕です。ボールをキャッチする直前を撮影してみました。きちんとボールも見えていますね。ほどよい甘さがよい塩梅です。
ビオゴン、ビオメター。いずれも良いレンズですが、絵の雰囲気がだいぶ変わるというのは新発見でした。やってみないとわからないものですね!
次回は、コンタックス IIa用の戦後ビオゴン 35mm f2,8を携えてのドーム行き?
最後までお付き合いをいただき、ありがとうございました。
撮影地:東京ドーム