上記の1枚目はセプタック、絞り開放での撮影です。モノクロームも良い雰囲気ですね。

さて、本題です。ガラスの状態の良い個体でこの2本が揃うことは滅多にありません。そこで、このダルメイヤー製2 inchの銘玉2本を撮り比べをしてみることにしました。

スーパーシックス(以下、SS)は4群6枚です。5群7枚と構成も異なり、更なる明るさを求めて上級レンズとして開発されたセプタック(以下、SP)との写りを見比べてみたいと思います。

↓まずはSS、絞り開放f1.9です。ダブルガウス型らしいメリハリのある描写です。柔らかなベールを纏ったピントが実に美しいですね。良いモノは、やはり良いなあ。

↓こちらはSP、絞りf1.9です(約1段絞り)。セプタックの絞り指標にはf1.9がありませんので大凡です。SSよりフレア多めで、何とも美しいです。ハイライトの滲みが官能的でいけません。光彩はSSよりきれいに丸いですね。

↓またSS、絞り開放です。まとまりのある描写ですね。実にいいレンズです。開放だけに周辺落ちもズドン。

↓SP、f1.9(大凡です)。実に良い雰囲気ですね。梅雨でも撮影が楽しそうです。解像感、滲み、ボケ、周辺落ち、いずれもいけません。猛毒4種盛りは理性を失わせます。ポチりそうです。

↓SS、f2.8です。解像度が一気に立ち上がります。ボケの濃厚さはしっかり。光彩にはちょっと角がありますね。真面目なレンズですね。スゴくちゃんとしています。

↓SP、f2.8です。こちらも急激にフレアが消失。ボケ味はSSより豊かですね。絞り羽根が綺麗に丸いのでその恩恵か、光彩に現れています。

↓SS、f2.8。ツヤ感と柔らかさ。キリッとしたピント面の描写。見やすく、気持ち良いですね。本領発揮はこのあたりなのでしょうか。開発者のセンスを尊敬します。

↓SP、f2.8。周辺落ちがかなり落ち着いて、オリーブの枝の方も鮮明に写るようになってきました。意外にもだいぶ淡泊になるのですね。急に理性的な(?)描写になったと思ってしまうのは、一連の流れでそう思うだけかもしれません。光彩は相変わらず綺麗ですね。絞っても、美味しそうなプリッとしたイクラが現れます。

↓参考までにSP、絞り開放f1.5です。ただただ、美しいですね。ポートレートだと人の肌にベールが掛かったような描写になります。上手く生かして、美しい被写体を撮りたいものです。そんな機会に恵まれている方にはイチオシです。いろんな意味でいいなあ。

↓同様に、SP、絞り開放f1.5。このレンズで、家族の何気ない日常を動画で記録したら、良い思い出が残せそうな気がします。ただ、うっかり買ってしまうと余計な思い出もついてきそうですね。ご利用は計画的に。でも、思い立った日が吉日、という言葉を信じましょう。

以上、長々とお付き合い下さり、ありがとうございました。

撮影地:流山市(当店)  天候:雨天

使用機材:ライカM240、GITZO三脚、Linhof雲台